《MUMEI》
いつもの
数分後。


「お待たせしました〜!」


店長自ら料理を次々と運んできた。


「し、失礼します」


それから、若い女性店員が、飲み物を置いていく。


女性店員の顔が赤いのは、仕方ない事だろう。


料理は、海の家の定番という、焼きそば・カレー・ラーメン。


ただし


普通と違って魚介類が豊富に入っており


焼きそばとラーメンは、塩味だった。


俺は、それらを少しずつ食べたが


志貴は、焼きそばばかり食べていた。


「感想言わないといけないから」


俺が話しかける前に、志貴は言い訳していた。


それから、子供組にはかき氷が出され


大人組の大半は、生ビールをおかわりしていた。


「じゃあ、私達は先に帰るから」


おかわりしなかった果穂さんと、最初からアルコールを摂取しなかった大志さんは、海の家を出ると別荘に直行した。


「俺達も行くか」

「うん」


大志さんと同じくアルコールを摂取しなかった秀さんと志穂さんは、近くの市場に買い出しに出かけた。


(だからか)


秀さんが、Tシャツを着てきた理由がやっとわかった。

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