《MUMEI》

「ルキア」

「──はい、お嬢様」

「ありがと」

「──光栄でございます」

ルキアはお辞儀をして、それから──私の顔をジッと見つめた。

「どうかした?」

「お帰りになられたばかりの頃よりも、楽しそうにしてらっしゃるようで──何よりです」

「ルキアのお陰」

「いえ──僕はおもてなしをしたに過ぎません」

「ぇ?」

そうかな‥。

私は、違うと思う。

ルキアが私の為にしてくれた事──それが、私を楽しませてくれたんだから。

私が楽しいのは、間違いなく──ルキアのお陰。

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