《MUMEI》 「須藤君──あの‥」 「もういーからショボい顔すんな」 そう言って須藤君は、ちょっぴり乱暴に──私の頭を撫でてくれました。 何だか、嬉しいような──恥ずかしいような──。 「オイ」 「?」 「せっかく撫でてやってんだからちったぁ喜べ」 「よ、喜んでます‥っ」 「だったら笑えよ」 「ぇ‥?」 そう訊き返したのが、間違いでした‥。 「テメー‥オレ様の話聞いてねーだろ」 「いえっ、聞いてます‥。た、ただその‥っ、ひぃっ!?」 須藤君‥私は食べても美味しくないですよ‥? 前へ |次へ |
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