《MUMEI》

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ルキア?」

「! はい‥」

「大丈夫?」

「は、はい──」

そう答えたルキアは、平静を装っているつもりなんだろうけど‥明らかに挙動不審。

「ルキア、何か──」

「お嬢様」

「?」

「──好きです」

「‥ぇ」

今‥何て言った‥?

「ルキア‥」

「好きです」

今度は、ハッキリ聞こえた。

好きです、って。

「───────」

もし今、ティーカップを持っていたら──‥私は確実に、それを落としていたに違いない。

それ位、その言葉は私を動揺させた。

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