《MUMEI》 〆華は相も変わらずポーカー・フェイスを決め込んでいるだけだった…。 そして、〆華の1巡目… ありきたりな「柳の赤札」を手に加えたところで、山札から捲った一枚は… あろうことか「芒に月」だった…。 それは、どの場札とも交わることなく、〆華の細い指先によって、場に据え置かれた…。 兼松は、自らの取札の中にある「菊に盃」と、手札の「坊主」にチラリと目配せする…。 兼松はニタリと笑い、芸妓の顔を見上げるも… 〆華の美しくも冷たい瞳からは、危機感や焦燥といった感情を読み取ることは出来なかった…。 ゚・:*:.。*。.:*:・゚*゚・:*:.。*。.: 前へ |次へ |
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