《MUMEI》

「いえ、分かりました──有り難うございます」

ルキアは笑って、そう言った。

「嬉しいです」

「──ふふっ」

思わず、私は笑っていた。

ルキアが、笑ったから。

つい、つられてしまっていた。

2人で顔を見合わせて、また笑った。

「紅茶──覚めない内にどうぞ」

「ぁ‥」

そうだ。

紅茶の事を‥すっかり忘れてた。

「───────」

まだ温かい。

これを飲み終わったら──帰らなくちゃだな‥。

そう思っていると、ルキアはその事に気付いたのか──ちょっぴり寂しげに笑った。

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