《MUMEI》

「林檎君?」

ダメです──‥起きません‥。

「林檎君、起きて下さいよ〜」

「‥るせーな寝かせろ」

「〜〜〜‥林檎君ってばぁ! ──ゎ!?」

「何でテメーは起こす時ばっか名前で呼ぶんだよ」

「ぇ、だ‥だってそうしないと起きないじゃないですか」

「オレを名前で呼ぶなんぞ1億年早ぇ」

「ぇ」

何か‥年数が更に遠ざかってませんか‥?

ていうか、その頃生きてないです‥。

「須藤君」

「?」

「いつか、名前で呼んでくれますか?」

「‥オレの気が向いたら──」

「ほんとですかっ?」

「ぅおッ‥何だよテメーは‥。急に元気になりやがって‥」

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