《MUMEI》

「さて──」

何にしよかな‥。

仰山あるから、ちょっと迷うてまう。

「うーん‥、──ぁ」

これ、美味しそうやな──。

色々見比べながら考えて、モンブランとカフェラテに決めた。

「えっと‥」

ベル鳴らすんやったよな‥?

テーブルの脇に置かれたベルを、ちょっと緊張しながら鳴らした。

「お呼びでしょうか、お嬢様?」

ツバサ君は、ベルの音を聞くなり──すぐに、うちのテーブルに来てくれた。

口癖とか雰囲気とか、やっぱり明るい。

こんな執事も悪ないなぁて思た。

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