《MUMEI》

「うん。ほな、せっかくやから──もらおかな」

「畏まりました、すぐにお持ち致しますっ」

「ふふっ──」

張り切っとるなぁ、ツバサ君。

にしてもさっき──何言いかけたんやろ。

後で──訊いてみよかな。

「カフェラテ、お代わりお持ち致しましたっ」

「ぁ、おおきに。‥?」

「───────」

「ツバサ君?」

「ぇ、ぁ‥申し訳ございませんっ」

あんまり慌てた様子やったから──思わず笑うてもうた。

「謝る事あらへんやん。うちはただ、どないしたんかなぁ思て訊いてみただけやねんから──」

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