《MUMEI》

「いえ、その──」

「?」

「お嬢様が喜んで下さってるのが嬉しくて、つい──」

「そうなん?」

「はいっ」

「──ふふっ、せやったんか」

うちはてっきり──何か困ってるんかと思た。

嬉しい、か──。

ほんなら良かった。

「お嬢様?」

「うちも嬉しいわ、何か──」

何でやろなぁ。

──まぁ、ええか。

理由なんいらへんやんな。

今はただ、ここでの時間を楽しめばええ。

「───────」

「ケーキの方のお味は如何ですか?」

「うん、ケーキもカフェラテも絶品や」

どっちも、むっちゃ美味しい──。

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