《MUMEI》

「お帰りなさいませ、お嬢様」

「‥な」

何だコイツら‥。

てかアタイはお嬢様じゃねぇし‥。

様いらないし‥。

「どうぞ、お嬢様──こちらへ」

「ぉ‥おい放‥」

振り払おうとしたけど、腹減っちまってたアタイは、大人しく言われた通りに椅子に座った。

てか、ここどんな店だよ‥。

明らかに普通の店じゃねぇ‥。

「お決まりになりましたら、こちらのベルでお呼び下さいませ」

「ベル‥?」

これ‥の事か‥?

何でベルなんだ‥?

つーか‥マジでアタイここにいていいのか‥?

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