《MUMEI》 スキンシップ拒否「じゃあ、俺も祐也限定な」 「触るな変態」 俺は、頼の手を振り払った。 「祐也はスキンシップ苦手なの?」 (何故残念そうなんだ、柊…) 「女同士の友達や身内は、手を繋いだりするから、…羨ましいんじゃない?」 「説明ありがとうございます、希先輩」 俺は、希先輩に頭を下げた。 「アメリカじゃあ、チューとかハグとか普通だよ?」 「じゃあ、お前は徹さんにされてんのか?」 俺は、ヘラヘラ笑う厳を睨んだ。 答えがNOだとはわかっていた。 (さっき頼が志穂さん限定って言ってたし) 徹さんはハーフだが、俺と会った時は、普通に握手だけだった。 「祐也は手強いなぁー」 祐は、楽しそうにその様子を見ていた。 一方、志貴は… 一人、海の家に残っていた。 休憩時間に入った拓磨に、呼び止められていたのだ。 (頑張るな、あいつも) 入学以来、何度も志貴に拒絶されているのに、未だに諦めない拓磨に、俺は最近は感心していた。 (志貴もまんざらでもないし) 最近は、志貴も拓磨の気持ちが本物だと気付いている様子だった。 前へ |次へ |
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