《MUMEI》
愛は会社を救う(28)
資料室に戻り、私はファイルの整理を本格的に再開した。
雑件ファイルを一度バラバラにし、まずは重複資料を取り除く。次に残りを分類し、新たなファイルに綴じ直す。方針さえ固めてしまえば、あとは極めてシンプルな作業だ。
ちなみに手続きを単純化することは、円滑な人間関係を生む要因ともなる。引き継ぎの際、相手にストレスを与えないからだ。
私は、残った資料に改めて目を通した。本社から受信したファックスが多い。
それらには日付の入った朱の受領スタンプが捺されていた。支店が受信した「オリジナル」に、総務が文書管理の目的で捺しているものだ。
ふと頭の中に、先ほど仲原から聞いた言葉が浮かんだ。
「前任の時代に、本社から注意喚起の通達があったみたいだけど」
通達のオリジナルは、ここにあるのだろうか。私はスマートフォンを取り出し。前副支店長のデータを表示させた。その在任期間に絞って文書を精査するためだ。

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