《MUMEI》

「臑蹴り、害虫混入、
アラタ盗聴、夜ばい、
……低俗だ。というより、やり口がチャチ。俺はもっと頭使うね。」
篝はアラタの横に並んだ。

「教科書の文字は結局嫌がらせで済まされたんだろ?」
篝は一人で話し続ける。

「……帰ろっか」
前に立ち塞がりアラタを誘う。


「陽炎にやられたんだろ?
痛いの好きだね」
アラタはちらりと篝の下半身を見た。

「……痣だらけだよ、見たい?」
篝は自分のベルトに触れた。

「……正気?
今日は授業受けるから。」
一年が体育館で学年集会なので三階は空っぽだ。長い廊下を下り、篝を無視して教室に戻る。
遅刻した理由を適当に説明して席に着いた。

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