《MUMEI》 「‥オイ」 「ぇ‥はいっ、何ですか?」 「テメーの今日の昼飯何だ」 「ぇっ‥?」 「昼飯何だって訊いてんだよ」 「オニギリと昨日の夕ご飯のおかずと‥、ぁ、兎リンゴも──」 「じゃあ後でそれ寄越せ」 「はいっ、分かりました‥」 やっぱり好きなんですね──兎のリンゴ。 「‥ぁ」 そういえば‥前にもらった飴──まだ食べてないんでした‥。 あの後、鞄に入れて、ずっとそのままなんです。 何だか、取っておきたくなってしまって──。 だって、初めてだったんです。 須藤君から何かをもらったのは──。 前へ |次へ |
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