《MUMEI》

ウサギが画面から消えても、私達は動けないでいた。

私は、ウサギが最後に言った言葉が妙に引っ掛かっていた。


復讐…


たったニ文字の言葉の中にいろんな感情を感じた。


「ねぇ、皐月。
とりあえずさ、出口捜さない?」


楓は笑いながら言った。

「ウサギが言ってたことなんて、嘘だって。
私らを驚かしたいだけっしょ。
元気だしてこ!!」


明るく振る舞う楓を見ていると、暗い気持ちが吹っ飛んだ。

誰かがドッキリでもやっているんじゃないか、と思えた。


「うん、そうだよね!
 誰かが驚かせうとしてるのかもね!」

「そうだよ!
 さ、そうと決まったらさっそく出口捜すぞー!」

「「おー!!」」


私達は意気込み、この教室から二人で出ようと決めた。

犠牲なしに、出られると…思っていた。

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