《MUMEI》

こんな人に出会ったのは、初めて。

こんなに幸せを感じたのも、初めて。

苺を、こんなに甘いと思ったのも、心臓が、こんなにも煩いのも、今までなかった。

幸せって、意外と側にあるものなのかも知れない。

大好きな物だったり、さり気なくかけられた、優しい言葉だったり。

幸せって、きっとそういう事。

──つい、忘れてしまうけれど。

でも、ここに来れば、またきっと思い出す。

「──ありがとう」

「お気付き頂けたのなら、何よりでございます」

タクトさんは、またニコリとした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫