《MUMEI》

「…」


「もう全然音しなくなったな。」


「うん。」


「こんな早くできるようになるなんてな。」


「才能かな。」


「違ぇ〜よ。
俺の教え方がいいんだよ。」


「はぁ?」


「マジマジ。


昔からカードとか牌とか触らせるようにしてただろ?


だから指がその感覚を覚えてるんだよ。


あとは手遊びみたいなもんだからな。


早期教育が実ったんだよ。」


「ふ〜ん…


そんなもんかね…


まぁホントに使うことはないけど。」


「それがお前のスタイルならそれでい〜さ。


ただこれでかなり強くなったと思うぞ?


腰に伝家の宝刀を添えてんだ。


それが自信に繋がるからな。」


「ゲームに自信なんて関係ないだろ。」


「ふん…
それはこれからわかるようになるさ。」








数年が過ぎ、


いつの間にか翔太は完璧にイカサマをこなすようになっていた。


自分の言葉通り、


それを実践することはなかったが、


確実に、


翔太は強くなっていた。


小学6年生。


この時点ですでに、


翔太は遊びの天才となっていた。

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