《MUMEI》

「‥ぁ──」

「ん?」

「夕陽が綺麗ですよ」

「夕陽?」

言われて、窓の方を見る。

「‥ぁ」

ほんとだ──。

「わぁ‥」

「明日も、青空になりそうですね──」

「うん」

明日も、今日みたいに晴れるといいな。

──晴れるよね。

こんなに夕陽が綺麗なんだから。

「──お嬢様」

「‥ぇ」

何‥?

何か真顔になってるけど──‥。

「アキラ君?」

どうしちゃったんだろ‥?

「ねぇ──大‥」

「いても宜しいですか」

「ぇ‥?」

「ずっと──お嬢様のお側に」

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