《MUMEI》
1.現場検証
1.現場検証

轟刑部「やっと着いたか…現場は、ここか!」

牧刑事「かなり酷いですね…刑部、これだけ酷いと時間かかりそうですね…」

轟刑部「いや、そうでもなさそうだ!あっちを見てみろ!」

轟刑部の目線の先には一人の女性が一点を見つめながら立っていた…
周りには、かなり人気の動物園のサルを見るようにギャラリーが集まって騒いでいるのに!
その女性だけがポツリと浮くように立っていた…

牧刑事「あの〜すいません、お話を少し伺いたいのですが…」

その女性はビックリともしないで刑事達が話しを聞きに来るのを待っていたようにも見えた!
それも、そうだ!女性は、この物語りの主人公、伊井 香(イイ カオリ) なのだから!

香「彼は?!彼は?!無事なのですか?!…」

牧刑事「いや…あの…まだ…」

牧刑事はビックリした?!まるで牧刑事の方が怪しい人物に見えるくらい動揺をしていた…

轟刑部「あっ…すいません…我々も今、着いたばかりで、まだ良く分からないのですよ…」
轟刑部「これは失礼…私は警察庁の犯罪課の轟刑部、で、こちらは牧刑事です。」

轟刑部は警察手帳を見せながら言った!
慌てて牧刑事も警察手帳を見せた…

轟刑部「で、あなたは、その彼の知り合い?」

香「あっ!すみません…私は彼とは同じ会社の人間です…でも彼が私を知っているか?どうか?は分かりません…同じ課で仕事はしていますが…彼は人気が有ってエリートでしたから…私は課の中でも影の薄い存在でしたから…」

轟刑部「なるほど!同じ会社の同僚ですな!で、彼が、この事件に関わっていると?まだ事件なのか?事故なのか?分かりませんが…」

香「私も彼が巻き込まれたのか?は分かりませんけど…彼が、このアパートに住んでいるんです!!私は、このアパートの少し先のアパートに住んでます…」

轟刑部「なるほど!彼が、このアパートに住んでいた事は知っていたと…」

と、そこに、お巡りさんが割り込んで来た!

お巡りさん「あの〜すいません…警察庁の犯罪課の轟刑部さんでいらっしゃいますか?ちょっと中の方で現場検証をして頂きたいのですが…遺体が一体、在りまして…」

轟刑部「遺体が?!…」

お巡りさん「はい…アパートの住人と思われます…遺体の傍に財布が有りまして…その中に免許証が入っていたので…名前が…安野 丈 と…」

香「えっ…?!その遺体は安野 丈 に間違いないのですか?!」

伊井 香 が直ぐ後ろで話しを聞いていた…

香「お願いです!その遺体を見せて下さい!」

と、伊井 香 は食い入って来た!

お巡りさん「ダメですよ!遺体は、かなり酷い状態で一般の人には見せられる状況じゃ有りません!」

香「轟刑部!本当に、お願いします!私に彼を見せて下さい!」

伊井 香 は、お巡りさんの話しなど全く聞いていなく轟刑部に物凄い真剣な目で訴えていた!

轟刑部「分かりました!身元確認の為に見せますが…物凄く酷い状態って言うのを覚悟して下さい!」

牧刑事「刑部!良いんですか?!…」

と、牧刑事が言っているのが耳に入らない様子で轟刑部と伊井 香 はアパートの中に入っていった…



つづく

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫