《MUMEI》
3.現場検証
3.現場検証

現場検証は困難を極めた…アパートは全焼ではないももの謎が多すぎる…
消防士の話しでは火元は2階の角の部屋の玄関…そう安野 丈 の部屋だ!
火災の原因と見られるのが灯油のポリタンクが倒れてフタが外れ…灯油が流れ出した。それに何らかのかたちで引火したのが火災の原因と言う事だ…
何かが、おかしい!?
全てがハッキリしてない!何もかもが余りにも曖昧なのだ…自殺だとも思える?他殺だとも思える?事故だとも思える?のだ…この事件は伊井 香 がカギを握っているのかも知れない!?………
伊井 香 のアパートに着いた!
もう夜の8時を回っていた…2階の角の部屋は明かりが点いてる!

牧刑事「夜遅くに本当にスミマセン…大丈夫ですか?少し、お話しを…」

香「はい…大丈夫です…」

伊井 香 は力無い声で答えた…声もカスれて…今まで泣いていたのだろう…

轟刑部「伊井さんが火災に気が付いたのは何時頃ですか?」

香「はい…昨夜の8時半頃です…私の部屋の窓から彼の部屋が見えるんです…」

伊井 香 が部屋の窓を開けて指を指した…確かに安野 丈 の部屋が見える!今は電気が消えてるけど…ハッキリと見える!

香「直ぐに消防署に火事の電話をして彼のアパートに駆け付けました!」

轟刑部「えっ?!あなたが消防署に電話したのですか?!消防署には確かに1番最初に8時半頃、女性の通報が有ったと…それが、あなただったのですね…」

香「私が火事に気が付いた時は、まだそんなに火が大きく有りませんでした!煙が出ていて火は部屋の中で少し燃えているようでした…消防署に電話して直ぐ彼のアパートに行ったのですが…着いた時にはアパートが火に包まれて…その時には野次馬も大勢で…消防車も直ぐ来て消火活動をしたのですが…なかなか炎が消えないでいました…」

轟刑部「なるほど!…アパートには誰か出入りした人は居ましたか?」

香「いえ…誰も…消防士の方もアパートには入ってないです…だからアパートの中には誰も居ないと思っていました…」

轟刑部「そうですか…それで伊井さんは我々が話し掛けるまで、あの場所に?」
香「はい…ずっと居ました!安野さんの事が心配でしたから…」

轟刑部「安野さんは…昨日、帰宅したのですかね?」

香「はい…帰宅したと思います…」

牧刑事「それは何故?帰宅したと思うのですか?」

香「はい…窓に明かりが…」

牧刑事「窓に明かりが?!」

香「私は会社では余り役に立ってないので何時も定時で帰るのです…ゆっくり帰って来るので、だいたい5時半過ぎに着きます…昨日も同じ時間でした…安野さんは少し残業して帰ると同僚の湊さんに話していたのを耳にしたのです…たぶん7時まで残業したんだと思います…部屋の明かりが7時半過ぎに点いていましたから…でも…」

轟刑部「でも…何ですか?!」

香「はい…ハッキリそうだとは言い切れ無いんですが…誰か居たような?気がするんです…」

轟刑部「誰かが居たような気がする?!…ど〜言う事ですか?!」

香「部屋の電気は点いて無かったのですが…人影が見えたような気がしたんですけど…でも6時頃でしたから気のせいだと思って…」



つづく

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫