《MUMEI》

「‥オイ」

「ハイ?」

「捲れよ」

「ぁ‥すいません‥」

慌てて、教科書のページを捲ります。

それにしても‥近いです‥。

ていうか近い過ぎないですか、この距離‥。

近過ぎですよね‥。

「‥テメー、また何か勝手な事考えてんな‥?」

「!?」

な‥何で分かるんですか‥?

有り得ないじゃないですか‥。

ひょ‥ひょっとして須藤君って‥。

「‥テメーそれ以上見るとブっ飛ばすぞ」

「ひぃぃっ、ごめんなさいっ」

あまりに大声で私が叫んだので──教室中の視線が私に集まってしまいました‥。

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