《MUMEI》 いつまでも駄々を捏ねている俺に、 彼等は思い出したように口を開いた。 「そ、そうだよな。 いきなり話し掛けられたんだから戸惑うのも無理無いよな。」 そう言って、 赤い髪の彼は息を吸い込み、 「俺はレオ、ヨロシクな!」 またも弾ける程の笑顔を浮かべて自己紹介した。 笑う度に出来る彼の笑窪は、 負けん気強そうで、 且つ明るさを増している。 赤い髪を逆立てたヘアースタイルが良く似合っていた。 服装は黒のランニングに大きめの穴の開いた青のジーパンで、 見るからに派手な恰好だった。 さらに、独特な怪しい形をしたブレスレットと、 怪しげな光を放つ紫色のネックレスが気になった。 そういや、ランニングから覗く彼の逞しい腕には、 紋章のようなものまで刻まれている。 そうしてレオと握手を交わしたあと、 隣りの白色の髪の彼が、 気が進まないと言った風に口を開いた。 「俺はシルク。 いきなり誘って不謹慎だったよな。」 「い、いや! そんな……。」 彼は太陽の光を受けて、 艶やかに輝く真っ白な髪を靡(ナビ)かせてそう言った。 こちらは先程と打って変わって、 紺色の袖に白い筋の入ったポロシャツに、 黒のジーパンといった出で立ちで落ち着いた感じだった。 レオと並ぶと、 全く正反対な二人。 そんな彼等が今、 俺を遊びに誘ってくれている。 好意は有り難いのだが………。 だけどやっぱり……飛べないんじゃ、 仕方ないよな………。 前へ |次へ |
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