《MUMEI》

「ゎ‥」

甘いです。

とろけちゃいそうです──。

「如何ですか、お味の方は──」

「美味しいですっ。とっても美味しいです、これっ」

「お気に召されましたか」

「はいっ♪」

あたし──何だか幸せです。

ケーキが美味しいからとか、シグレさんが親切だって事は勿論、何だ──かここにいる事自体が幸せなんです。

喫茶店、というよりも、何だか──ずっと昔から住んでる、自分の家みたいな。

シグレさんも──まるで家族みたいな感じがします。

ほんとにここは、不思議な喫茶店です──。

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