《MUMEI》

林檎君──‥林檎君──‥‥。

やっぱりそう呼びたいです。

『須藤君』も嫌な訳じゃないですけど‥、でも、やっぱり‥。

『林檎君』──そう呼びたいんです。

──そういえば、あの日‥。

廊下を歩いてて、私──彼とぶつかってしまったんです‥。

『‥テメーマジで石頭だな‥』

『すっ‥すいませんっ!』

『‥オイ』

『!?』

『テメー、何てぇんだ?』

『ぇ、な‥何って‥』

『バカ、名前だ名前』

『よ‥芳井です』

『‥‥‥‥‥‥‥』

『あの‥?』

『全部言えよ』

『ぅぁっ‥未桜です、芳井未桜‥』

『ふーん』

『えと‥、あなたは何ていうんですか?』

『須藤‥‥‥林檎』

『わぁ、林檎君ですか──、!?』

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫