- 無銘文庫

《MUMEI》

「楓…。私、なんか怖くなってきちゃったよ。」

「…。」

楓は私に背をむけたまま、無言だった。

楓は怖くないのかな。

なんで、あんなに冷静な顔をしていられるの。

ねぇ、楓。

いつもみたいに、なんか言ってよ。

大丈夫だって言ってよ。
ねぇ？

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