《MUMEI》 「わぁ、可愛いっ」 「お付け致しますね」 セイヤさんは、私の手首にブレスレットを付けてくれた。 私の手首で、編まれたビーズがキラキラ光る。 「ありがとうございます、セイヤさん」 ──大事にしなきゃ。 ちょっぴり早い、クリスマスプレゼント。 ほんとに嬉しい──。 「作るの‥大変だったですよね‥?」 「いえ、お嬢様がお喜び下さる事を思えば──大変には感じませんでしたよ」 「ほんと‥ですか?」 「はい。勿論でございます」 私に笑いかけて、セイヤさんは止まりかけたオルゴールのゼンマイを回した。 前へ |次へ |
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