《MUMEI》 ──どれ位経ったんだろう。 もう外はすっかり暗くなってしまっていた。 電車の時間があるから──もう行かないと。 「お出かけになられますか?」 「ぁ、はい‥」 ──そっと引かれた椅子。 鳴り止んだオルゴール。 「──色々、ありがとうございました。楽しかったです、凄く」 「それは何よりでございます」 セイヤさんは、嬉しそうに笑った。 「セイヤさん──サンタみたいですね」 「?」 「セイヤさんは──私のサンタです」 「───────」 「ぁっ、ごめんなさい勝手な事言って‥」 「──いえ、有り難うございます。嬉しいです」 「嬉しい‥?」 「はい、──とても」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |