《MUMEI》

「ぇ‥?」

違う、って‥?

「兄貴──あたしのほんとの兄貴じゃないんだ」

「ぇ、どういう事──ですか?」

「兄貴‥あたしが4つの時に家に来たから」

「‥ぇ?」

「だから、まだ──‥あたしの事も、父さん達の事も、信用してない、っていうか‥」

「‥‥‥須藤君‥養子なんですか‥」

「うん、それで‥あんまし誰かと関わったりとかすんの、苦手みたいで‥」

「胡桃ちゃんにも、あんな感じなんですか‥?」

「父さん達にも、ね」

「そうなんですか‥。‥ぁ」

「?」

「須藤君、自分の名前──嫌いなんでしょうかね‥?」

「ううん、それは違うと思う」

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