《MUMEI》

「‥ぇ」

何故か、テーブルには、もう既に用意がされていた。

お皿、ティーカップ、キャンドル‥。

1つ気になるのが、お皿に被せられた銀色の蓋。

「これ‥何ですか?」

「それはまだ秘密です☆」

「──何で色々出してあるんですか?」

「今日は特別ですからね☆」

「特‥別?」

私にはまだ、その言葉の意味が分からない。

でも、何だか嬉しい事がありそうな気がした。

「さぁ、こちらへお掛けになって下さい」

「───────」

私が座ると同時に、その人は銀色の蓋を取った。

そこには、大きなデコレーションケーキ。

【HAPPY BIRTHDAY】

そう、チョコレートで書かれてある。

「お誕生日、おめでとうございます☆」

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