《MUMEI》
1.楽園
1.楽園

伊井 香 は電車に乗っていた…
突然、怪しい連中に追われて何とか逃げて電車に乗り込んだのだ…
だけど伊井 香 は警察に追われている事には全く気が付いて無かったのだ…
無我夢中で電車に乗ったので何処に行くのかも分からないのだ…
でも例え行き先が分かったとしても、どうでも良かったのだ…
伊井 香 は親も兄妹も親戚も友達も居なかったのだから…
実は伊井 香 は孤児院で育ったからだ…孤児院でも誰一人として仲の良い仲間も作らなかったからだ…
誰も頼る人が居ない…何処に向かって良いのか?本当に分からないでいた…
でも何とか逃げ切れた!
この電車も1度、ドアが閉まったが…好意で開けてくれたのだ!その時、電車に乗ったのは伊井 香 しかいなかったから!確実に追っ手を振り切った!
電車も3両編成で1両に7〜8人しか乗ってない…
いくらか電車に揺られ安心したせいか…伊井 香 は電車の中で寝てしまった…

目が覚めた…まだ少し頭がボォ〜っとしている…

??「あら?!目が覚めたのね!ど〜お気分は?」

周りを見渡した…?!かなり年代物の高級な感じの家具が並んで置いて有る!
天井も高く見事なシャンデリアが、ぶら下がって…普通の人では、まず見る事が出来ない部屋だ!
ベッドも物凄く高級なキングサイズのベッドだ!
こんなベッドは外国の映画でしか観た事がない…
その高級ベッドで目を覚ましたのだ!
まるでフランスの宮殿の様で夢の様だ!
夢なのか?起きてるのか?現実なのか?さえも分からないぐらいだ…

安野 丈「あの〜…ここは?どこですか?あなたは?誰ですか??なぜ?俺は、ここに居るのですか??」

??「そんなに一度に聞かれても困るわ…答られないじゃない…」

物凄く貴賓高く綺麗で清楚で安らげる様な暖かみの有る女性だ!
その女性がイタズラぽく話し掛けている…

??「いや〜ね〜そんなにバカ面して…フッフフフ」

丈「いや…その…バカ面は生れつきで…って言うか…バカ面はないでしょ…」

??「フッフフフ…面白い人ね〜ところで、お腹すいてない?わ・た・しは、お腹すいちゃった〜」

丈「お腹?…すいた?…すきました!…」

??「そっ!それは良かったわ!それじゃ〜食べに行きましょ〜でも、その前に…その格好じゃ困るから服を…」

丈「…えっ?!…えっ〜?!なに?!この…格好は?!」

安野 丈 は何も服を着て無かった…
周りの事に圧倒されて…自分の事は全く気が付いて無かった…
なぜ?裸なのか?また謎が増えた…

丈「あの〜…着る物は有りますか?出来たら貸して欲しいんです…スミマセン…」

??「もぉ〜本当に仕方ないはね〜女性物で良い?」

丈「えっ?!…それは…」

??「もぉ〜冗談よ〜フッフフフ。本当に面白い人ね〜」

着る物を一式、渡された。スーツだった!それも物凄く高級なスーツだ!
いや!高級なスーツ以上だ!まるで、この世では無いようなスーツだった!

??「あら!素敵!良く似合ってるわ!さぁ〜行きましょう!」

そう言って歩き始めた…
そして部屋のドアに手を掛けた時に振り返って…

??「そうそう!ここは天国よ!私は女神!そして、あなたは死んだのよ!」

丈「えっ?!…また、それは冗談ですか?」

女神「ウフッフフフ」



つづく

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