《MUMEI》
「これで愛子は立派な対ヴァルタン星人造地球人
クィーン ハートです!」
雁之助は一字一句噛まずに言い切った。
「ちょっ……、ムリムリ!意味が分からない!さっぱり話見えてこない!」
気が動転して、断ることしか出来なかった。
雁之助は私の足元で手を顔の前に組みお願いのポーズを取る。
「僕を捨てないで!
頼れるのは愛子しかいないんです!
僕を、地球を助けてください!下働きでもなんでもしますから!」
深い沈黙
「……ぃ…ゃ…い……
……良いに決まってるじゃないの!」
私は雁之助があまりに愛らし過ぎて、抱きしめたと同時に鼻から赤い液がとめどなく流れ出た。
私だけかもしれないけど下働きって、なんかイカガワシイ響きじゃない?
こうして
私は小さな同居人を迎え入れた。
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