《MUMEI》 ずっと──何故かこの日が嫌だった。 「お嬢様‥?」 「──ぁ‥、ごめんなさい」 でも今は──好きに思えてきた。 この日が、私の誕生日で良かった、って。 ナツメ君が、こうやって私の為にパーティをやってくれて──楽しい時間を過ごして。 今日は、本当に最高の誕生日。 「──良かったです☆」 「?」 「お嬢様が喜んで下さって良かったです☆」 「ナツメ君?」 「ありがとうございます、お嬢様☆」 凄く、嬉しそうに。 ナツメ君は、笑って言った。 その笑顔が、凄く眩しく見えた。 前へ |次へ |
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