《MUMEI》

「誰も嘘だなんて言ってねーよ」

須藤君は、リンゴと蜜豆を交互に食べながらふてくされて言いました。

でもどこか嬉しそうに見えるのは──気のせいじゃないみたいですね。

「いいなぁ、須藤君──」

「ならテメーが姉貴になりゃいーんじゃねーか」

「ぇ‥?」

「‥アイツ、喜ぶと思うけど」

「ゎ‥私が胡桃ちゃんのお姉さん‥?」

「‥オイ、クルミ」

「ん? ていうかバレてたんだ」

「ったりめーだ。オレ様を騙そうなんたぁいい度胸してんじゃねーか」

「騙そうとなんかしてないよ、あたしはただ、兄貴と先輩の仲が気になってたから──」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫