《MUMEI》

何でもない、そう言ったけど‥。

やっぱり不思議で仕方ない。

「ナツメ君って──何で‥」

「お嬢様の執事ですから☆」

「ぇ‥?」

訊き返さずにはいられなかった。

だって、いくら何でも‥初対面‥

「‥‥‥‥‥‥‥」

初対面‥?

──違う。

ような気がする‥。


ひょっとしたら、どこかで‥会ったではないにしろ、すれ違ったりしたのかも知れない。

たぶん‥そうだ。

‥でも‥。

何か、引っ掛かる。

──何が‥?

‥分からない。

でも、どうでもいいような気がする。

今が楽しいって事は、確かなんだから。

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