《MUMEI》

「──ねぇ、ミオ姉ってさ、兄貴といつから付き合ってんの?」

「えっと‥、去年の春からです」

「そっかぁ──。兄貴ってば全然教えてくんないからさぁ」

「テメーに教える義理はねぇ」

「冷たいなぁ兄貴──」

「‥何でそーなんだよ、めんどくせーな‥」

須藤君はむくれて、少し離れたとこに座ってしまいました。

「兄貴ってば‥すぐああやって捻くれんだから──。ミオ姉ごめんね?」

「大丈夫ですよ、もう慣れましたから」

「慣れた‥?」

「はい♪」

須藤君はツンツンしてるのがいつもの感じみたいですし──私もだんだん、彼の雰囲気にも慣れてきましたし。

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