《MUMEI》
行方不明
―3年後―
千秋は6年生になった。
「おい。千秋!聞いたか?」
学年で一番人気の石川兄弟が話しかけてきた。
石川兄弟とは石川 紺と壱の双子のことだ。男子にも女子にも人気がある。
そんな石川兄弟と千秋は友達だ。
「なんだよ。昨日はあんまり寝られなかったんだ。寝かせてくれ。」
「ちゃんと聞けよっっ」
壱は息を切らしながら言った。
「さっき隣のクラスが騒がしくて見に行ったら3組の大葉陸が行方不明になったって!」
紺は慌てたように言った。
「なんでいなくなったんだよ!?」
石川兄弟は顔を見合わせた。
「わかんねぇ。」
千秋は怒鳴ろうとした。
だが、その時。
「大葉陸のことだろ?俺が詳しく教えてやろうかぁ?」
嫌味ったらしい声が聞こえた。
千秋と石川兄弟が振り向くと、そこには、同じクラスの宮田マキが立っていた。
「別にお前に教えてもらわなくても俺らが知ってるからいいっ!」
石川兄弟は怒った口調で言った。
「はぁ。!?俺様が教えてやるっていってんだろ。!?」
マキは女とは思えない口調で二人(石川兄弟)を黙らせた。
「昨日。陸は、宿題で使う教科書を学校に忘れたんだ。それで付いてきてって頼まれたんだよ。」
「それでそれで?」
いつの間にか石川兄弟はマキの話しに夢中だ。
「それで。取り終わって帰ろうとして校門を乗り越えたら、陸がいなくなっていた。っつーわけだ。」
ってことは、誘拐!?・・・んな分けねーよな。
「じゃあ。俺と同じように?」
千秋は呟いた。
しまった。ポロッといっちまった。
「「「えっ!?」」」(マキ、壱、紺、)
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