《MUMEI》

「お前が嫌でないならだけどな」
「嫌じゃないです」
「お互い、素っ裸になるんだぞ。それ、平気か?」
「一人は嫌です……」
懇々と言って聞かしはするが、どうしても寂しいばかりを訴えてくるファファに
田畑が折れてしまうのにそう時間はかからなかった
ファファの頭を撫でてやり、一緒に入ろうと言ってやる
「ありがとです〜。正博君」
さも嬉しそうなファファ
可愛らしいソレを向けられ、田畑は苦笑を浮かべるしかなかった
「じゃ、先入ってろ。俺、着替え取ってくるから」
背を軽く脱衣場へと押してやれば、ファファは頷いて中へと入っていく
その背を見送ると、無意識に溜息を一つ
そして思う事は
ファファが可愛いすぎるという事だけで
そんな事を思ってしまう自身に苦笑ばかりが浮かぶ
「あれだけ可愛けりゃ、仕方ねぇか」
だれに言う訳でもなく呟くと
着替えを適当に探り出し風呂場へとむかったのだった……

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