《MUMEI》

親指をギュッと握ると、肘の内側に静脈が浮き出てくる。



加奈子は其処に、慣れた手つきで注射針を差し込むと…



ゆっくりと薬剤を押し込んでいった…。



押し切ったところで一度戻すと、ポンプの中に赤茶けた血液が逆流する。



その血をもう一度静脈に戻すと、針の中に残る僅かな薬剤までもが身体の中に浸透してゆく…。



ゆっくり針を抜くと…



やがて、えも言われぬ爽快感に包まれる。



着衣を脱がされ、ベッドに横たわると…



『ハハハハハ!…』



傲慢な笑い声が加奈子を犯し始めた…。



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