《MUMEI》

「ナツメ君」

「ぁっ──はい」

「ありがと、素敵な誕生日パーティやってくれて」

「楽しんで頂けましたか、お嬢様?」

「うん、すっごく」

独りで、近くのお店で買ったショートケーキを食べるのが当たり前だった最近。

こんな風に、誕生日をお祝いしてもらえるなんて──夢にも思わなかった。

このお店を見つけなかったら、声をかけられなかったら──‥私は今日、こんなに楽しい誕生日を過ごす事はなかったと思う。

「ほんとに──」

「ありがとうございます☆」

「ナツメ君‥?」

「僕も楽しかったですよ☆」

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