《MUMEI》

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10年前…



闇の中をさ迷っていた時代…。



加奈子は行きずりの男に躰を買って貰いながら、日々の糧を得ていた。



17歳にして既に大人の色香を身に纏っていた加奈子が、怯えた子猫のような表情で街角に立つと、馬鹿な大人達が入れ替わり立ち代わり声を掛けてくる。



その中から金廻りの良さげな"獲物"を物色し、"生娘"を演じて割高の報酬を得る…。



悪知恵を一つ身に付ける度に、底知れぬ闇に墜ちてゆく恐怖も次第に麻痺していった。



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