《MUMEI》

「──お嬢様、あの‥大丈夫ですか?」

「! ぁ‥、はいっ」

何ボーッとしてるんだろ、私──。

何なんだろ、この感じ‥。

‥ぅゎ‥何かヤバいんだけど動悸が‥。

「!?」

「落ち着きますよ」

そう言ってナツメ君が差し出してくれたティーカップには、カモミールのハーブティー。

「──ふぅ」

ほんとに落ち着いた。

ハーブティーって、あんまり飲まないけど‥こういう時には結構いいかも。

「──あ、の、‥ナツメ君」

「はい、どうされました?」

「私──‥」

「?」

「好き‥かも」

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