《MUMEI》
ハイパーメタルスーツ◎
 アリゾナ州 …フェニックス 


大きなファーストフードレストランの駐車場から栄一とユカが根元博士の自宅へ電話をかけていた 。 

「……おかしいな …出ない……  」 

栄一がしきりにユカに首を横に振る… 
「…ねぇ…… 家に行ってみましょう…… 」 

ユカが心配そうな顔をして言った…


タクシーに乗り込む二人の表情は…今にも降りだしてきそうな厚い鉛色の空の様だった…栄一は上着のポケットから…その持ち帰った小さな木箱を取り出した…。



 フェニックス郊外 「根元博士宅」 

部屋の中…
椅子は倒れ テーブルから落ちたカップやグラスの破片はマットに飛び散り 
分厚い専門書は破れ…あらゆる引き出しの中が 荒らされていた  。


博士の家を近所の男の子が約束していたプラモデルの模型を持って…訪ねて来た 


「……ハロー! こんにちはドクター! ドクター根元! 」 

ドアのベルをしきりに鳴らすが  中から返事は返ってこなかった…… 
少年は諦めて帰りかけたが…
試しに低い庭木を飛び越えて裏庭の方へ廻ってみる事にしてみた…… 

裏口のドアが開けっ放しになっている……少年は様子を伺うようにゆっくりと中へ入っていった………

「ハロー……ドクター?」 
部屋へ入った少年は その荒らされかたに  驚愕する……  
そして  しばらくすると「ママ〜!ママ〜!」と…悲鳴をあげながら 外へ 飛び出してきた! 


根元博士は無惨にも 書斎で うつ伏せになったまま 
殺されていた…… 

その 血塗れの頭には 鈍器で殴られたような後が… 
はっきりと 残っていた…。

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