《MUMEI》

ちょっとビックリしたみたいだったけど、ナツメ君は、ニッコリ笑った。

「僕もです☆」

「ぇ‥?」

「僕も、言おうと思ってたんです」

「ほんと‥?」

「ほんとです☆」

「───────」

これ以上ないんじゃないか、って位、嬉しい気分だった。

もう1つ、プレゼントをもらったみたいな感じがする。

──最高のプレゼントを。

「‥ぁ」

もう行かなきゃ、そう思った時。

「そろそろダンスパーティーのお時間ですね☆」

そう言ってナツメ君は、見つめいた懐中時計を胸ポケットにしまった。

私がお店を出ようとした事に、気付いたらしい。

「表に馬車をご用意してございます。どうぞ☆」

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