《MUMEI》

そして…
わたしはあてもなく車に飛び乗るが 
ものの5分も走ったところで すぐに帰りたくなる 

切れ目なく駆け抜けてゆく対面の車たち 運転している顔… 通りすぎる見馴れた街並み  
そのどれもが  一本につながった青ネギのように……わたしの眼の中においては
 空虚な像(カタチ)に他ならない 

そこには見えない壁が立ちふさがる…
けっして触れ合う事のない壁が…

わたしだけが  ポッカリと空いている  
わたしの  まわりだけが…… ポッカリと 空いている 

穴は孤独に耐えている

この想いを 誰に伝えたらいいのだろうか 

話す相手など  わたしにはいない  。

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