《MUMEI》 クリスマスイブの夜──‥俺はその日も、他のヤツらがテーブルを囲んでる中‥部屋の隅っこにいて、独りでケーキを食ってた。 『‥‥‥‥‥‥‥』 『林檎君、もう一切れ食べる?』 『‥もういい』 『──ごめん、美味しくない‥?』 『‥ちがう』 何でか知んねーけど‥何を食っても、あんまり味を感じなかった。 だから、美味いとか、マズいとか、そんな事はどーでも良かった。 ‥でも。 『じゃあ──これなら食べれるかな』 『‥うん』 リンゴだけは、好きだった。 別に、自分の名前と同じだから、って訳じゃねーけど。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |