《MUMEI》

クリスマスイブの夜──‥俺はその日も、他のヤツらがテーブルを囲んでる中‥部屋の隅っこにいて、独りでケーキを食ってた。

『‥‥‥‥‥‥‥』

『林檎君、もう一切れ食べる?』

『‥もういい』

『──ごめん、美味しくない‥?』

『‥ちがう』

何でか知んねーけど‥何を食っても、あんまり味を感じなかった。

だから、美味いとか、マズいとか、そんな事はどーでも良かった。

‥でも。

『じゃあ──これなら食べれるかな』

『‥うん』

リンゴだけは、好きだった。

別に、自分の名前と同じだから、って訳じゃねーけど。

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