《MUMEI》

『にーちゃん、あのね──』

『うるさいクルミ。あっちいってろ』

『なんで? そだっ、ブロックやろうよ♪』

『やらない』

『たのしいよ?』

『たのしくない』

『〜〜〜〜〜〜‥』

『クルミ‥?』

『──にーちゃんのバカっ』

『‥なッ‥?』

『にーちゃんはかぞくなんだっ。にーちゃんは‥』

そこまで言って、クルミは嗚咽し出した。

『‥っ‥、クルミも、かーさんもとーさんも‥にーちゃんのことだいじなのに‥なんでわかんないの?』

『だいじ‥?』

『そーだよっ。にーちゃんはだいじなんだからっ』

あんなにクルミが怒ったのは初めてで、ちょっとビクった。

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