《MUMEI》
辛いよ・・・・・・・・
「影月、やっぱり私は影月とは闘えないよ!」
「じゃぁどうしたら闘ってくれるの?」
「何をされても闘うつもりは無いわ!」
「じゃぁ千世、説得してくれる?」
「いいわよ!」
       ボンっ!

「あ、あれ?影月は?」
「【体】はここよ!」
「え!?でも、そこには千世の姿しか無・・・・・・・・・」
「幻覚よ。私が作った私の幻覚。私は影月の体を借りているの。だから幻覚を使って影月の姿を私の姿に見せているの。」
「なら、それは影月の体・・・・?」
「そう。それにしても、あなたはどうして闘おうとしないの?」
「だって、影月を傷つけるなんてできない!」
「なら、影月を傷つけたくなるようにしてあげる♪」
「何をするつもり?」
「今までの影月の心を見せて上げる♪それ!」

       ポォッ!
     光鈴の自己中!
   光鈴なんて親友じゃないのに何であんなこというんだろ?うざったいなぁ。
光鈴なんか私よりバカのくせに付きまとってきて、バカがうつっちゃう!
あんなバカ大っキライ!
光鈴なんかいなくなればいいのに!
ううん、それじゃぁ物足りないし、死んでくれないかなぁ?

「ほらね?影月はあんたのこと死んで欲しいくらい嫌いなんだってさ!どうする?これでも闘う気なんか無いっていえる?」
「それでも、闘えないよ・・・・・・」
「なぜ!?お前には憎しみという物が無いのか!?」
「影月に対して憎しみは無いよ・・・・・・・・ただ・・・・・・・」
「ただ?」
「辛い・・・・なぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

《やった!光鈴はいま、=負=の感情が心を一杯にしている!今なら『アレ』ができる!》
〔光鈴!だめ!心の中に=負=の感情を一杯にしてしまえば千世が『アレ』を実行してしまう!光鈴!光鈴!ダメだわ、聞こえていない!〕

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