《MUMEI》

『‥また今日も遅いのかよ』

『ごめんね、なるべく早く戻るから──胡桃の事頼める‥?』

『‥分かった』

オレが小4になってからは、お袋も仕事を始めた。

だからオレは、クルミと2人でいる事が多くなっていった。

夜も、遅くまで2人共帰って来ないから、クルミは寂しがってオレに引っ付いてばっかいた。

オレが付いてないと、クルミは眠れないでいた。

何でこうなってるんだろう、そう考えて‥それは、オレがこの家にいるのが原因なんだ、って──気付いた。

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