《MUMEI》

ひんやりとしていたサンダルがあっという間に体に馴染む。


車一台さえ通らない道をゆっくりと歩く。



時々立ち止まり空を見上げては俺は深く溜め息をついた。


金谷にされた事よりも修平に拒絶された事の方が遥かに頭を占めている。


一緒に暮らしている間殆ど口もきかなかったくせに…


でも、同じ高校に来たって事は俺に未練があって、俺に近づきたくてそうしたのかなと俺はどこかで…
いや、そうだろうと解釈していた。




別れ際も、きっと俺を抱きしめながら好きだと言ってくれると信じていた。




めでたい性格に腹がたつ。情けない…



おかしな夢まで見て、俺は汚い。

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